職場で、初めて泣いた。

人知れず、デスクに座って悔し涙を飲み込んだことはあるけど

人前で泣いてしまったのは初めてだった。

怒られたとか叱られたとかではなく、

自分のミスが発覚し、説明していたら申し訳なさのあまり泣いてしまった。

進めていた仕事の段取りのひとつが、私の頭からすっぽ抜けてしまっており

どう考えても依頼元の設定した締め切りまでに間に合わないことがわかったのだ。

社内案件だったし、そもそもぺーぺーに任される仕事が、

ちょっとミスったところで、社内を揺るがすなんてことはない。

けれど、これから謝りにいかねばならぬ部署は、昨日もちょっとしたミスで

迷惑をかけ、頭を下げた部署だったこと、しかしそもそも相手の設定した

締め切りに無理があったこと、それでも当初の段取りでは間に合わせるべく

頑張っていたこと、けれど必要な資料を頼んでいたのに延々と手を付けてくれない

人がいて、なかなか計画通りいかないうちに別の仕事で手一杯になっていたこと、、

自分に非はあるが、その責任をすべて押し付けられるにはあまりに理不尽である

という切実な感情が、それを説明することもできない悔しさと相まって泣いてしまったんだと思う。

そして思っていた以上に、積み重なった小さなストレスが重荷となっていたのだろう。

けれど、発見もあった。

職場で泣いても、意外と誰も気にしないこと。

気にしないフリ、とかではなく、あんまり興味がないようだった。

上司も、私が泣いたことそれ自体に驚く様子はまるでなかった。

でも確かに、職場で泣いている人を見かけたとして、恥ずかしい奴だなんて思わないし

さほど興味も持たないだろう。目の前の仕事に精一杯なのだから。

そもそも、社会人になっただけで泣かなくなるなんて、そんなはずないじゃないか。

人間なんだから。感情が、あるのだから。

泣くということのハードルは、本人が想像している以上に低い。

泣きたきゃ泣いてこ。