「日々の仕事でぐったりと疲れてしまう」「集中力もモチベーションも続かない」…、仕事にまつわる疲労感ややる気の無さ、それに伴う自己嫌悪に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。


仕事上のストレス因子をなくすことは難しいですが、「疲れを溜めにくい生活習慣」を身に着けることで、疲労感をぐっと軽減することは可能です。

私自身が、小さな習慣を身に着けることで疲労感を軽減できたので、その方法を、「なぜ効果があるのか」、「実際にやってみて感じたこと」と併せて紹介していきます。

今日から取り入れられる小さな変化で、仕事の疲労感をぐっと減らしてみませんか?

1. 昼食を軽くする、または食べない

なぜ効果的?

消化にはエネルギーを使う

昼食をしっかり食べると消化にエネルギーが使われてしまうため、午後に眠気や疲れを感じやすくなります。

そのため昼食の量や内容を見直すことで、午後のだるさや総合的な1日の疲れを軽減でき可能性が高いのです。

「炭水化物メイン」食は疲れやすくなる

ご飯やパン、麺類などの「炭水化物メイン」の食事は、血糖値が急激に上がりやすく血糖値スパイク)、「疲れやすい食事」であるといえます

食事をして血糖値が上がると、膵臓から「インスリン」というホルモンが大量に分泌されて血糖値を下げる働きをしますが、血糖値の急上昇が起こるとインスリンが大量に分泌され、必要以上に血糖値を下げてしまいます。

その結果、午後に眠くなったり、だるさを感じたり、やる気の低下が起こります。

仕事の能率が下がるので結果的に残業をすることになり、さらに疲れる…ということも起こりかねません。

昼食は腹6分目くらいまで、さらに炭水化物控えめな食事を摂るようにしましょう。

具体的な実践方法

まずは食事内容を見直す

昼食に「炭水化物メイン」の食事をしっかり摂っている人は、まずは、野菜やタンパク質がメインの食事に変えてみましょう。

例えば、コンビニでおにぎりやサンドイッチを選ぶのではなく、サラダや肉・魚・卵がメインのおかずを選んでみてください。

日常的に野菜やタンパク質が不足している人は、空腹感の原因が「栄養不足」である可能性があり、食事内容を見直すことでかえって満足感が高まったり、体調がよくなるかもしれません。

「野菜ジュース」には注意

野菜は野菜でも、「野菜ジュース」には注意が必要です。

ジュースは、通常含まれている食物繊維などが失われ、野菜・果物に含まれる糖分を一気に吸収してしまうからです。

野菜はなるべく固形のまま、口にするようにしましょう。

「食べない」という選択もおすすめ

「何か口にするともっと欲しくなる」という人には(筆者はこれに当てはまります!)、思い切って「食べない」のもおすすめです。

例えばコーヒーが好きな方は、カフェに行ってゆっくりコーヒーブレイクを取るのがいいでしょう。

無糖のカフェラテやソイラテなどは、満足感が得られやすいです。

実践してみて感じたこと

昼食を変えたら、舟をこがなくなった

私は社会人になってから2年間ほどは、定食や、コンビニのおにぎり2つ+おかずなど、しっかりと固形物を食べていました。

しかし、午後に眠くなってWeb会議中に舟をこいでしまったり、午後は頭がボーっとして上司から言われたことがすぐに咀嚼できずに曖昧な返事しかできなかったりして、「自分には集中力が無い」「仕事へのモチベーションが低いから眠くなるんだ」と自分を責めてしまっていました。

しかし、「血糖値スパイク」について知り、昼食を段階的に減らしていくと、まず、午後に眠くなることはなくなり、会議中に舟をこぐことは全くといっていいほどなくなりました。

午後も頭がクリアに働ける

判断力が低下している状態だと、いつまでたっても重要な仕事を後回しにしてしまったりしますが、やるべきことに早めに手を付けられるようになり、結果的にそれが自信にも繋がって、以前より仕事が楽しいと感じる機会が増えました。

最近では、昼休憩時には職場から少し離れたカフェでコーヒーを飲むのが日課です。

「昼食を抜くなんて考えられない」という人も多いと思いますが、そんな人にこそ私は「昼食抜き」をおすすめします。

なぜなら「絶対にできない」と考えていることができたときほど、達成感が強くなるからです。

まずは、今までの食事量を減らすことから始め、抵抗感が無くなったらさらに、1日食べない日を設けてみるなどしてみてください。

2. 意識的に身体を動かす

なぜ効果的?

デスクワーク中心の仕事をしていると、同じ姿勢が続きがちで、これが血行不良や疲労感の原因になります。


さらに、長時間動かしていない筋肉があると、脳が「ケガをしているのではないか」と誤解して痛みを引き起こす可能性も。


適度に身体を動かすことで疲労感を軽減し、気分転換にもなります。

具体的な実践方法

1時間に1回席を立つ

まずは厳密でなくてもいいので、1時間に1回、席を立つ習慣をつけるのがおすすめです。


水分補給をこまめに行うことで、トイレの回数を増やすのも良いでしょう。


十分な水分をとることで血流が良くなり、疲労回復効果も高まります。

座ったままでもできるストレッチを

座ったままでも、肩甲骨や首を回して簡単なストレッチを行うことができます。


例えば、「肩をぐっと上げてからストンと落とす」筋弛緩法もおすすめです。


また、手のひらを下に向けて作業している時間が長いので、手のひらを上に向けて伸ばすだけでも普段使わない筋肉を刺激できます。

「こんなことで効果があるの?」と思うかもしれませんが、日常的に「身体を動かす」という意識づけが何より重要です。

昼休みに席を立たないのは勿体ない!

昼休みの時間にデスクで食事をする人も多いと思いますが、ぜひ外に出てみてください。


たとえ15分ほどの軽い散歩でも血流が促進され、リフレッシュできます。


また、人間の脳は場所とそこでの行動を結びつけるため、「デスク=仕事をする場」と認識している以上、そこではリラックスしづらいのです。


外に出て気持ちを切り替えることで、脳を「仕事モード」から「休息モード」にスムーズに切り替えることができ、リフレッシュ効果が高まります。

実践してみて感じたこと

コツコツ続けると退勤後も気力を維持できる

私の場合、初めはこまめに水分補給をする習慣を身に付けようとして、その結果、トイレに立つ回数が増え、「頻繁に席を立つ」という行動が自然と習慣化されました。


そこから、30分~1時間に1回ほど席を立つことを心掛け、ついでに肩甲骨を回すようにしたところ、身体を意識的に動かせた日は「退勤時の疲労感が全然違う」ことに気が付きました。


帰路を歩く際の軽やかさも違うし、帰宅後も家事や副業、運動に取り組む気力が湧いてきたのです。

「こまめなストレッチ」の習慣づけは実は難しい

一方で、仕事が立て込んでいると水分補給すら億劫に感じ、ストレッチの習慣化はさらに難しいと痛感しました。


しかし、水分補給や身体を動かすのを「さぼった」日は、退勤後の疲れ方が明らかに違うため、習慣化されるまでは「強制力が必要だ」と感じました。

完全に習慣化するまでは、スマホでリマインダーを設定したり、「トイレに行ったら鏡の前で肩を回す」といったかなり具体的な行動目標を立てることをおすすめします。


こうした工夫で、意識的に身体を動かす習慣を、無理なく身に付けていきましょう。

3. ビタミンB群を補給する

なぜ効果的?

ビタミンB群はエネルギー代謝をサポートし、疲労回復を助ける栄養素です。

実は、仕事(頭脳労働)を終えた後のぐったりとした疲労感は、ビタミンB群を大量に消費したことで起こるものと言われています。

そのため、日々意識的にビタミンB群を摂取することが、疲労回復に効果的です。

具体的な実践方法

朝食にほうれん草とバナナのスムージーを取り入れる

ほうれん草は、ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸(ビタミンB9)などを含む優れた食材です。


また、バナナはビタミンB6、ナイアシン(ビタミンB3)、葉酸(ビタミンB9)を豊富に含んでいます。

これらの食材をスムージーにすることで、熱に弱いビタミンB群を効率よく摂取することができます。


朝にビタミンB群を補給することで、一日の疲れを防ぐための準備が整います。

間食はナッツを選ぶ

ナッツはビタミンB群が豊富で、間食としてぜひ取り入れてほしい食品です。


砂糖を使ったお菓子は血糖値を急上昇させ、その後の急降下により疲労感を増す原因になります。

素焼きのナッツは血糖値を緩やかに保つため、間食に最適です。

ただし、カロリーが高いので1日に10g~15g(片手ひと掴み程度)を目安にし、小分けタイプのナッツを選ぶのも便利です。

夕食に肉や魚、大豆製品を加える

夕食には、肉や魚、大豆製品を取り入れることで、ビタミンB群を効果的に補給できます。


例えば、鶏むね肉や豚肉はビタミンB1が豊富で、疲労回復をサポートします。

魚類では、特にサバや鮭がビタミンB6を多く含みます。


大豆製品(納豆、豆腐、厚揚げなど)は、植物性のタンパク質とともにビタミンB群を摂取することが可能です。

これらを組み合わせたバランスの良い夕食を意識することで、仕事の疲れを癒し、疲れにくい身体づくりを実現することができますよ。

私の体験談

初めは眼精疲労の軽減、メンタルの変化も

私が最初に取り入れたのは、ほうれん草とバナナのスムージーでした。


平日の朝食に取り入れてみたところ、「夕方、目の疲れが軽くなった」と感じるようになりました。

さらに、夕食に納豆や野菜を使ったおかず、魚(鯖缶や鮭)を取り入れる習慣を続けた結果、週の後半でも以前より疲労感を感じにくくなりました。


木曜日や金曜日の退勤後にも、筋トレをしたり、掃除・洗濯をこなす余裕が生まれたんです。

食べたもので身体だけでなく心も変わるということを実感した体験でした。

まと

疲れを溜めにくい生活習慣を身に付けることで、仕事の疲労感を軽減し、モチベーションを保つことができます。

最後に、紹介したポイントをまとめたいと思います。

  • 昼食を軽くする、または食べない
    • 昼食の内容や量を見直すことで午後のだるさを軽減。炭水化物控えめで、野菜やタンパク質メインの食事が理想的。
  • 意識的に身体を動かす
    • 1時間に1回席を立つ、簡単なストレッチを行うなどの小さな行動が、血行促進や疲労感の軽減につながる。昼休みの散歩もおすすめ。
  • ビタミンB群を補給する
    • 朝にほうれん草とバナナのスムージー、間食にナッツ、夕食には肉・魚・大豆製品を取り入れるなどして、エネルギー代謝を促進し、疲労を感じにくい身体作りを。

日常に取り入れやすい小さな工夫をコツコツ続けることで、身体だけでなく心の余裕も生まれます。

疲れを溜め込まない生活で、日々をもっと充実したものにしていきましょう!