私は人生の大半を、自己肯定感底辺ゾーンで
生きてきたせいなのか、
「自分のために、人と繋がる」という感覚がなかった。

「人が求めてくれれば、繋がっていい」ものだと思っていた。
相手が自分に好意を持ってくれれば好意を返し、
相手が自分を求めなくなれば、自分からは求めない。

相手に拒絶されるのが何より怖かった。
だから、特に異性に対しては、好意を持っている相手にほど
「対して興味ありません」という態度をとっていたのだ。

けれど、いつまでもこのままではいけないと思った。
「拒絶されたくない」という恐怖を受け入れて、
職場で少しずつ、自分から人に話しかける回数を増やした。

最初は、というか今でも
話しかけたはいいものの、会話を広げる技術がなくて
結局相手に気を遣わせることもあるし、
早口になったり、顔が真っ赤になったり、
「ああ自分ってなんてコミュ障」と思うことばかりだ。
空回りしている感覚はいつもつきまとう。

けれど、新年度で環境ががらりと変わり
しんどいと思ったとき、ふらりと立ち寄っておしゃべりできる人
悩みを聞いてくれる人、1年前の自分にはなかった
人間関係が築かれていたことに、気が付いた。
自分のやっていたことは無駄じゃなかったんだ。

自分から他人を求める、頼る、ということは
ずっと、相手の負担にしかならないと思っていた。

けれどそんなことはないようで
むしろ、弱みを晒すことで相手がより深く自分のことを打ち明けてくれ、
仲が深まることの方が多かった。
わたしにとっては、人生最大級の、大いなる発見だ。(笑)

もちろん、相手に自分の望む反応を期待しすぎたり
依存的になるのはよくないのだろうけれど、
自分のために、相手を頼ることをしていいんだ、と
思えるようになった。

「私なんか」と躊躇してしまうことは何度もある。
けれどそのたびに「私でよければ」に思考を修正し
相手を求めてみようと思う。だって、応じるかどうかは相手次第なのだから。